2012年2月24日金曜日

ココロを売る時代

ある日のクレーム
(こっちがお客の立場)
胡蝶蘭というランを仕入れました。開店のお祝などに送るいまや大変ポピュラーなランです。花は繊細で傷が少しでも付くと売り物にならない、高価なランです。ある時、仕入れして店に並べたら傷が入っていました。仕入れする時は花に袋がかぶさっているため、気付かないときも多いです。すぐに問屋さんに電話します。

ある問屋さん「 すいませんでした!すぐに伝票からマイナスにします。それ、お急ぎの注文でした?」
「うん。あさっての配達の注文かな」「じゃあ無いと困りますよね。すぐに代わりの品を宅配で送るように手配します!明日には着くようになんとかします」「何だかかえって悪いかなー。」「いや、こちらが悪いんだからいいんです」「で、このキズが入ったランはどうしたらいい?」「迷惑かけたので、切って切花としてか使ってください」「そっかー。ありがとう」

別の問屋さん「あ、そう。おっかしいなー。そんなわけないんだけどねー」「じゃあ写メ送るね」「あ、はいはい。」(ぜったいにあやまらないです)「で、このキズが入ったランはどうしたらいい?」「伝票マイナスにするから今度持ってきてくれますか?」「今度の仕入れって来週よ」(無いと困らないかなとは思ってもらえないようです)
結局最後まで謝ってはもらえませんでした。他の問屋さんで代替品を手配する羽目に。

前者の問屋さんは、今回の処理で赤字でしょう。しかもラン鉢なので、キツいだろうなというのも分かります。しかし、この問屋さん、大きな大きなモノを手にしました。

「信用」です。これはお金を出して買えるものではないです。普通はこういったクレームには、伝票から差し引く(赤伝)だけのケースが多いです。相手を気づかい代替品まで手配するのは100点のクレーム処理だと思いました。
この問屋さん、いつもお客様でいっぱいです。

インターネットで何でも簡単に買えるこの時代だからこそ、やはりココロを売る事は大事だなといつも思います。
偉そうなこといって自分たちは出来ているのか、けっこう心配なところもあります。どんなにステキな店になっても、どんなに綺麗な花でも、売る人のココロが貧しければ美しくは咲かないでしょう。

自問自答しながらの毎日です (・_・;?



胡蝶蘭のブーケ




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