前回、インターンシップセミナーに参加し、講師の方の片寄った価値観に振り回されてしまったことを書きましたが、それを書きつらねてもあまり発展的な話にならないですし、もしも今将来のことを考えている学生がその記事を読んだとしても大して為にはならない内容かと思います。
なので、私なりのインターンシップの制度への感想と、弊社のとらえ方をここに明記しておこうと思います。あくまでも、私の個人的な意見であることをあらかじめお伝えしておきます。
インターンシップの制度自体は、私は興味深いと思いました。この制度を採用している企業も急激に増えているようです。
インターンシップをまだ知らない方へ。(エラそうに言いますが、恥ずかしながら私も詳しくは知りませんでした)一言で言ってしまうと、要は「職業体験」です。交通費などは支給される会社が多いようですが、基本的には報酬はありません。
では、大学生ならやれる「アルバイト」と「インターンシップ」の違いは何か?
もしも行きたい職業がある程度決まっているのなら、その業種のアルバイトを探し、そこで働くのが近道かと思えますよね。であるなら、インターンシップと同じような経験が出来ますし、何よりバイト代(報酬)が貰えます。報酬を出さずに働いてもらうのは、企業側としても「それでは申し訳ない」と思う気持ちもあります。(私はあります)
ところが、学生のバイトの場合は、業務内容が雑務ばかりであったり、そもそも希望する職種のバイトがなかなか見つからないケースもあるでしょう。もっと言うと、希望する職種が思い描けていない学生さんも多々いるのではないかと思います。
ここでいったん、私の話を少しだけします。
昭和46年生まれの我々40代半ばの世代は、団塊ジュニアと言われ、要はベビーブームの時代でした。今のような少子化が叫ばれる時代ではなく、校内暴力やいじめなどが社会問題になり始めた頃でした。受験戦争があり、それが終わりようやく大学を卒業する頃にはバブルが崩壊し、いわゆる「就職氷河期」がやってきました。今のような1を上回る求人倍率ではなく、0.7くらいまで悪くなりました。要は、100人就職希望者がいるなか、働く先が70しかない状態ということです。極端な買い手市場でした。
私は映画が好き、という理由だけで片っ端から映画配給会社を目指し、ことごとく一次で落ちました。それは決して就職氷河期だったせいだけではなく、私自身に魅力が無かったからだと今では実感できます。私も採用担当だったらあの頃の私は容赦なく落とすでしょう。経験も知識も浅いくせに、妙な片寄った生意気さだけは持っていました。
仕方なく、実家の花屋に戻らせてもらうのですが、それが実にまたダメで、ただでさえ甘えてしまう親元において、経験も知識も浅いくせに生意気ばかり言うので、オヤジとケンカばかりしていました。その頃私がやった成果は、店内にUSENを入れたことくらい。今振り返ると実にどうしようもないヤツでした。
見かねた母が、名古屋の仕入れ先、生花の総合市場に修行の話を付けてきてくれて、私はそこで会社の部屋を準備してもらい、夜中から働くことになりました。そこから始まる名古屋での修行の経験が今の私を形成してくれました。それ以降の話は相当に長くなるのでここではやめますが、3ヶ所も行かせてもらえた修行先の会社と、その間、店を頑張ってくれた両親にはいまだに心から感謝しています。厳しい実社会を経験させてもらいました。ずっと親元にいては知ることの出来なかった経験かもしれません。
振り返ると、私自身の就職活動は「甘かった」です。希望する職種はありましたが、「映画が好き」という思いだけで社会人として勤まるかは、まったくの別問題だと今なら分かります。相手先の仕事内容はもちろん、どういった会社であるのか、全く何も勉強していない私が選ばれる訳ありません。私の出身大学は、4大とはいえ、私立の、あまり有名とはいえない大学でした。決して就職において有利な大学ではありませんでした。
とはいえ、著名な大学、それも一流の大学と言われる大学に入ることがそれほど重要でしょうか?
例えば、超一流の企業や官僚、政治家などを目指すなど、いまだに「学歴」が重視されるような職種であるなら分からないでもないですが、正直私の知る限りでは、有名校出身なら出世が約束されるかと言ったら、そんな生易しいものではないと強く思います。有名な大学を出ても、社会経験が浅かったり、そもそも常識が備わってないとか、実社会を生き抜いていく強さを身に付けていない場合、学歴だけでは間違いなく食べていけません。
逆をいえば、学歴が無くたってどんな職業にだって付けるし、どんなことだって不可能ではないです。全ては「本人次第」だと思います。
学生時代というのは、悩み多き時だと思います。実社会は、横のつながり(例えば友人など)から、縦のつながりが重要視されるようになります。横一線だったのが、次々と差がついていきますし、そもそも競争なんか無意味だと気付かされるようになります。何度も言いますが、全ては「本人次第」、幸せの価値観も本人次第だということです。
一流の大学に入り、一流と言われる就職先につけて、高給が約束されることが幸せなのか。
そこに待っているものは、長時間勤務であったり、上司のパワハラであったり、長い時間満員電車に揺られることかもしれません。それが幸せに感じられるならそれはそれで良いと思いますが、そこをしっかりと分析することが出来る力、つまり色々な意味でしっかりと観察できる力、それが働く先だけでなく、自分自身を見つめる力を養うこと。働くって何?生きるって何?幸せって何?それらを理解し、自分なりの確固たる幸せの価値観を自分なりに形成する。私はこれが一番大事だと思います。
ところが、学生時代にはまだまだ「自分」というものが見えないんですよね。しっかりと自分が見れて、目標設定が出来て、そのために何をすべきか明確なスケジュールが組めるのはごく一部の学生ではないかと思います。それは、大学の授業ではなかなか教えてくれないことかもしれません。実社会に飛び込むことが一番かと思います。バイトも良いですが、そうそう良い職場に当たることも少ないのではないでしょうか。いつまでも雑務ばかりであったり、人手不足の昨今、いいように使われてしまうことも多いでしょう。
インターンシップでは、各企業は趣向を凝らし、学生たちを受け入れるプログラムを考えています。勉強会で学んだ良い例だと、学生たちに新しい商品を考案してもらったり、学生だけで企画を立案したりするプログラムもあるそうです。この制度は大いに利用した方が良いかと思います。ちなみに、私が学生の頃にはまだインターンシップなるものはありませんでした。私が卒業したあと、2000年あたりから始まった制度のようです。
私の考えるインターンシップを利用するメリット
1.目指す職業がまだ定まっていなくても、制度を利用することで新しい発見があるかもしれない。(それには、低学年(1,2年)のうちから経験しても良いかもしれません。低学年から実施している会社もあるようです。)
2.選ぶ企業(プログラム)に寄って、なかなか出来ない経験をさせてもらえるかもしれない。(これは、アルバイトでは経験できないことかもしれません)
3.「働く」ということ、そのものに触れることが出来る。(まあ、これについては、せめて学生のときにアルバイトのひとつも経験していて欲しいとは正直思いますが)
4.企業によっては、FB(フィードバック)してもらえる。教えてもらえるということは本来有り難いことです。その子を指導するとき(それは指導する側になれば分かりますが)あまり自分に対してメリットを感じることは少ないです。(教えることの難しさなどは学べる)「教える」というのは、本来相手に成長して欲しいと願うからおこなっているのです。ところが、受け止める側の受け止め方や、指導する側の伝え方によって、うまく働かないことも多いです。その難しさからも、指導そのものを諦めてしまっている方も少なくないと思います。
5.報酬をもらえることが全てでは無い事を知る。経験はお金で買えません。ただし、良く見極める観察力は必要です。全ての企業が良識を持ってプログラムを構築しているわけではないからです。バイトと全く変わらない、雑務ばかりになる会社は避けましょう。
では次の記事で、弊社のおこなうインターンシップの内容について説明します。
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