2014年1月22日水曜日

仕入れについて

今日も仕入れに名古屋まで行ってきました。
夜中2時に出発するときは、何もかもが凍りついた世界のようで、ある意味幻想的でもあります。ただ、その景色を楽しむ余裕は全く無く、凍結した道路をひた走ります。

仕入れに関しては、先だって妻が良いことを書いてくれましたが、参照
それに匹敵するくらい嬉しい内容が、太田花きの社長のブログにありました。

昨年偶然見つけて、以来時々読んでいるのですが、とても面白いです。


磯村社長のブログから抜粋(2014年1月3日付)
「花の商売の難しさは、工業製品ではないので、品質の見立てをするにはプロの目が必要だという点であります。それゆえ、花束にした時のデザイン力だけではなく、素材そのものの見極め方が正しいと、例え夫婦二人で花屋さんをしても十二分に繁盛店になって行ける商売です。これは、花の仲卸や花束加工業者、アレンジャーにおいても同様で、目利きである必要があるのです。
 情報売りのセリ前取引や在宅セリで懸念されるのは、プロの目利きの人がそれらを利用するのなら良いのですが、成長過程の若い人にはセリ前取引や在宅セリは弱点となるのです。これら情報取引は分かっていることしか行わない保守性があるからです。
 目利きは、日本の花き業界で生きていく為の必須条件であるとすれば、情報売りや在宅セリを利用する人は、三現主義【現物、現場、現実】を週に一回は体験しておく必要があります。栽培上の気象条件は、近年振れ幅が大きくなっています。
 お客様の手元では常温で管理され、鑑賞されるわけですから、いくら鮮度保持をし、コールドチェーンが進んでるといっても、その植物体そのものの持つ生命力を見極めないとお客様を失望させることになるのです。」

ちょっと難しい言葉もある内容ですが、これは全く同感します。そのためにこの10年以上頑張ってきた自負があります。

数えきれないくらい仕入れに失敗し、痛い思いを何度となく経験し、何年にも渡り反省をメモしてきました。本当に、今になってようやく良い花を見極める目利きが付き始めたかなと思っています。

早いときは仕入れ日(表日 月水金)の前々日から、ほとんどは前日の14時からですが、いつも休みを返上してセリ前取引を勉強し、相場観を養います。そして睡眠調整を行った仕入れ日の1時過ぎには起床し、名古屋まで約2時間半。実際にこの目で良い花を見極める最高に楽しい時間。相対売りといって、市場や2次的問屋、生産者が花を並べて販売しているところを回るわけです。もちろん鉢物や資材もあります。(かごひとつとっても見極める目と相場観が大事です)

この時、相対売りで買うのか、セリで買うのかを見極めるわけです。セリは言ってみれば「バクチ」です。適正な相場観を持っていないと、相対売りやセリ前取引より高く買ってしまう危険性もあるし、何より、10円でも安く買おうとギリギリまで頑張っていると買いそびれてしまうことが多々あります。ただ、相場観やその市場のクセや周りの買参人の好みなどを知っていると、大幅に安く仕入れることができ、それがお客様に反映させることができるのです。

例えばある日のバラが、セリ前取引が1本@120だとします。これが予約注文だと@140、相対取引も同じくらいの@140、ところがセリだと@80で買えることがあるのです。(※ 一例です)

この同じバラを1本300円で販売すると、予約すると160円の儲けですが、セリだと220円ともなるのです。

「えー花屋って上手に買うと儲かるんやねー」

いえいえとんでもないです。花屋にも廃棄ロスがあります。30本@80で買い、全部が300円で売れれば確かに6,600円もの儲けがあります。利益率は3.75倍です。ところが10本売れ残り捨てたとすると、3,600円の儲けにしかならず利益率は1.5倍に落ち込むのです。さらに、仕入れしてくるには、高速代ガソリン代、店舗の家賃や光熱費、何より人件費が大きいです。夫婦2人や1人で頑張っているお店もたくさんありますが、その分大量仕入れをすれば膨大な時間がかかってしまうので、ロットの多いセリ買いをする花屋さんは複数のスタッフを抱えている花屋が多いです。

磯村社長のブログに感化され、眠い目をこすりながらがーーーっと書いてしまいましたが、何しろ奥が深い仕事なのです。

ただ、いい花を安く買えて、お客様に、おしゃれでかっこいい花をお値打ちに提供できたときは、本当に最高ですね。
「この前の花、すごく長持ちしたよー」って言われると何より嬉しいです。

これからも日々努力を重ねていきたいと思います!!!

とりあえず仮眠します。おやすみなさいzzzzz




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