2013年3月4日月曜日

無題

もう1時間以上も、書いては消し、書いては消しを繰り返しています。

「これは書くべきことではない」
「いや、どうしても書き記したい」
「では、何のために書くのか」
「正直、分からない」

葛藤に葛藤を重ねる。

北海道での痛ましい事故の数々。記録的な暴風雪に8人もの貴重な命が奪われてしまった。どの方も大変に気の毒でならないが、中でも小学生の娘さんの命を、わが身を犠牲にしておおいかぶさって守った父親の話は、私の心をとらえて離さない。

豪雪地帯に住む私も、仕入れに行く途中で、身の危険を感じるほどの吹雪を経験したことがあるが、おそらくその何倍ものすさまじい猛吹雪だったようだ。児童センターに娘を迎えに行き、自宅に帰る途中、猛吹雪に襲われた。車を乗り捨てて、知人宅に助けを求め、歩いて向かうその途中で力尽きてしまったという。最後は自らのぬくもりで娘の命を守りぬいた。

昨晩仕入れに向かう前に携帯ニュースで読み、涙が止まらなかった。名古屋に向かいながら、ずっと考えて考えた。父親は無念であったろう。いや、その時は必死で娘さんの命を守ることだけを考えただろう。子を持つ親ならおそらく誰しも、私もきっとそうする。

助かった娘さんは、病院でしきりと「お父さんはどうなったんですか?」と聞いていたという。昨年に妻と死別し、父娘の2人で暮らしていたという。娘さんは1人になってしまった。言葉につまる。

周りの方々も皆きっと無念に違いない。悔やんでも悔やみきれない悔しさがきっとあると思う。受ける悲しみは当然私なんかと比べようもない。

想像しても想像しても、きっと計り知れない。私がいくら涙しても、失われた命は戻らないし、娘さんは1人で強く生きていかなければならない。さぞかし、怖い思いをしただろう。お父さんは娘が怖がらないように、きっとはげまし続けたことだろう。おりしも、3月3日桃の節句。娘さんはこの日をこれから毎年、どのような気持ちで迎えていくのか。

ダメだ。やっぱりこれは書くべきではない。あまりにもつらすぎる。せっかく書いたがまた全て消したい衝動に駆られる。


仕入れから帰ってきて、新聞記事を読んでまた泣けて泣けてしょうがない。
睡眠不足もあるようで、余計に気分が高ぶっているからなのか。


いま、外は穏やかな小春日和。私が想像をめぐらしている北海道の光景とは全く天と地の違い。申し訳ないくらいだ。そんな中、もうすぐ子どもたちがいつものように学校から帰って来る。

目薬をして、真っ赤な目をごまかそう。まだ理解できない子どもたちには、いつもと同じように普通に出迎えよう。

そしてわたし自身は、これまで以上に、日々への感謝を忘れずに、一日一日を大事に暮らそう。


ただ

今はその前に


亡くなられたお父さんのご冥福を心よりお祈りしたい。
どうかどうかいつまでも娘さんを見守ってあげてください。


合掌

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