2017年9月10日日曜日

無事に帰れて良かった

別山ルートに間違えて下りてしまった時間ロスは、肉体的にも精神的にもかなりのダメージでした。余分な体力をだいぶ使ってしまいました。


「最悪、早月小屋で泊まらせて貰おう・・」
 
「仕事に関しては、とりあえず翌日は名古屋仕入れでは無いから・・」
 
「明日って、私何か予定あったっけ・・」

もやもやと考えますが、下山ルートの険しさに頭がどうも働きません。

「とにかく、まずは早月小屋を目指そう」
「あとは、小屋に着いた時間で考えよう」

それだけ考え、とにかく慎重に下りることに専念しました。

写真を撮る余裕は完全に無くなりました。集中力を切らさないように。わずかな油断で落ちたら、ひとたまりもない箇所ばかりです。登りがキツイということは、下りも負けずに厳しかったです。
 
怪我や滑落は、下山時に多いのです。緊張感を無くしたらダメです。とにかく慎重に。

登山者の数もめっきり減りました。途中で会う方は皆、小屋で泊まる方ばかり。「うわぁ、泊まらずに帰るの?すごいなぁ、気を付けてね」何人もの方に言われました。

カニのハサミも慎重に抜けました。カニのたてばいや、よこばいに比べれば難しくはありませんでした。

午後になり、雲やガスが増えてきました。時間は着々と過ぎていきますが、時計が示す高度計はなかなか下がりません。

「まだ2,600mあるんか」
「そもそも早月小屋って標高何mにあるんだっけ?」

それと気になっていたのが、水分量。この日はとにかく暑く、ついに背中のハイドレーションパックが空になりました。残りは500mlのペットボトル内に半分くらいだけ。下山しながらも喉が渇きます。
 

ついに早月小屋が見えてきました!

嬉しい。

登頂並みに嬉しかった。ペットボトルの水も空になってました。




15時到着。コースタイム2時間半に対して2時間。

水を2L買わせて貰い、小屋の方に話しかけました。

「・・・そんなわけで、私、別山の方におりてしまいまして」

「他の登山者でも間違える人、いますよ」

少し救われた。こんなアホなことやるの、私だけでなかった(≧∇≦)

「今から下山って大丈夫でしょうか?」

「ここで15時なら大丈夫だよ。」

安心した!よし下りよう!

ヘルメットを片付け、ストックを出して準備OK。

滑落などの危険箇所は減りましたが、何しろここからも長い!

下りても

下りても

一向に着きそうに無い!
登山者も完全に居ない!

さみしいので、クマ鈴を鳴らしました。

標高がさがるに連れての暑さもハンパなく、500mlと迷いましたが、2Lの水にしておいて良かったとつくづく思いました。早月コースは水場がありません。

濃い霧も立ち込めてきました。

標高1,500mを切ったくらいからも また長かった。延々と続きます。

足裏の痛みが段々キツくなってきました。それでも暗くなることの方が怖く、途中でヘッドライトを頭に装着しました。いつでも明かりを付けれるように。しょっちゅう時計で時間を確認します。

17時頃、見覚えのある立山杉の巨木を越えました。

山と高原地図アプリで現在地を確認します。GPSで現在地を捕獲してくれるので、山行には欠かせません。

そして

ようやく

登山口にたどり着きました(汗)

暗くなる直前の18時ちょうどでした。

山からおりて、登山口で見る自家用車って、何かホッとします。

良かった。無事に帰れて良かった。

大袈裟かもしれないけど、今回の山行は特に強く感じました。

けど、不思議な山です。あれだけキツかったのに、帰宅途中のコンビニ駐車場でオデンを食べながら

「来年、もう一度行きたいな」
と、思ったんです。

それくらい、インパクトの強かった剱岳日帰りでした。





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