2017年9月9日土曜日

大トラブル

登山は、早出早帰が原則。ましてや、日帰りの場合は下山のことも考えておかないといけません。体力、気力を下山分も残しておかないと。この早月尾根コースは、下山だけでも6時間以上掛かるのです。

「グズグズせずに、やはり予定通りAM4時に出発すべきだったな」
 
随分後悔しましたが、出発前の不安はなかなかのものだったので、致し方ないです。
 
PM12時過ぎ。下山開始。

他の登山者の方と話しながら下りていきました。
 

 
カニのよこばい
到着。
 
あれ。こんなとこ登ってきたっけ?
話してきた方に聞きます。
 
「登るときにこんなところありましたっけ?」
「登るときはここ通らないから」
 
なるほど。なぜか普通に納得する私。
 
写真撮っておこうかな。


 
え?なにここ。
ヤバすぎでない?
 
先ほどの方は慣れた様子で通っていく。
私が躊躇していると
 
その方が私に向かって大きな声で、少し強い言い方で
 
「そこ!! その赤い所に最初の足を置いて!!!」
 
最初のステップが分かれば、後はそれほど怖さは感じませんでした。
 
下は絶壁。落ちたらひとたまりもない箇所でした。私に教えてくれた方は、私が無事通れたことを確認するとさっさと先に下りていきました。カッコイイ。私もああなりたいな。


 
その後、完全に直登の長い階段を下りたところで
 
突然
 
私の中で何か、ゾワッとする嫌な感じが・・・・・
 
ち、違う!!!!
何かが違う!!!
 
後ろから来た登山者の方に聞きます。
 
「あの、私、早月から来たんですけど、こっちって間違ってませんか?」
 
そう。私は下りてはいけないルートにおりてしまった。
 

 
早月ピストン(黄色線)のはずが、別山ルート(緑線)の方に間違えてしまった。
 
とんでもないミスをしてしまったときの、ぞわーーーっという緊張感が全身を走ります。
 
何となくどういうことかすぐに分かりました。このまま行ったら立山方面に行ってしまいます。立山まで下りてしまったら、どうやって登山口の馬場島まで戻るのか、今日中に帰るのは絶対無理な話。
 
先ほどの登山者の方、ちょっと焦った様子で
 
「早月に戻るのは、ここからもう少しおりてから、カニのたてばいで頂上に戻らないと!ここ、一方通行なんで」


 
(他の方のブログから)
 
こういうことです。このカニのたてばいが、絶壁をよじ登る、剱岳の難所のひとつ。
 
そう、私はわざわざ剱岳の2つの難所を行く羽目に・・・・・
 
生きた心地がしなかった。
いったいどれだけの時間ロスになるのかな・・・

たてばいを見上げ、躊躇せずに取り付きました。もう行くしかない。登るしかない。

このカニのたてばいは、混むときは渋滞するところでもあるのですが、この時はひとっこひとり、誰も居ませんでした。

「焦るな、焦るな」

自分に言い聞かせますが、変な汗と動悸は確実に感じます。

休むことなく、一気に登り切りました。登り切った後、頂上へのルートが分かりにくかったですが、何となく勘で左方面に。


 
すると目の前に看板が。
私、これを見落としたのか・・・・・
 
ということより、別山ルートが頂上で交わることが完全に頭から離れてしまっていました。


 
 
良く見ると、地図にも書いてあった。
迷 分岐点、見落とし注意。
 
カニのたてばい
カニのよこばい
 
コースタイム1時間10分のところを、40分くらいで行って戻ってきたらしい。(後日分かったこと)
 
13時。まずは無事に戻れたことに少しホッとしながらも、今から下山したら暗くなる前に登山口に着けるのか??
 
その不安で心が一杯でした。
 
急登よりも、険しい下りの方が実は危険なのです。
 
 
 
 

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