「最悪、早月小屋で泊まらせて貰おう・・」
「仕事に関しては、とりあえず翌日は名古屋仕入れでは無いから・・」
「明日って、私何か予定あったっけ・・」
もやもやと考えますが、下山ルートの険しさに頭がどうも働きません。
「とにかく、まずは早月小屋を目指そう」
「あとは、小屋に着いた時間で考えよう」
それだけ考え、とにかく慎重に下りることに専念しました。
「あとは、小屋に着いた時間で考えよう」
それだけ考え、とにかく慎重に下りることに専念しました。
写真を撮る余裕は完全に無くなりました。集中力を切らさないように。わずかな油断で落ちたら、ひとたまりもない箇所ばかりです。登りがキツイということは、下りも負けずに厳しかったです。
怪我や滑落は、下山時に多いのです。緊張感を無くしたらダメです。とにかく慎重に。
登山者の数もめっきり減りました。途中で会う方は皆、小屋で泊まる方ばかり。「うわぁ、泊まらずに帰るの?すごいなぁ、気を付けてね」何人もの方に言われました。
カニのハサミも慎重に抜けました。カニのたてばいや、よこばいに比べれば難しくはありませんでした。
午後になり、雲やガスが増えてきました。時間は着々と過ぎていきますが、時計が示す高度計はなかなか下がりません。
「まだ2,600mあるんか」
「そもそも早月小屋って標高何mにあるんだっけ?」
それと気になっていたのが、水分量。この日はとにかく暑く、ついに背中のハイドレーションパックが空になりました。残りは500mlのペットボトル内に半分くらいだけ。下山しながらも喉が渇きます。
ついに早月小屋が見えてきました!
嬉しい。
登頂並みに嬉しかった。ペットボトルの水も空になってました。
15時到着。コースタイム2時間半に対して2時間。
水を2L買わせて貰い、小屋の方に話しかけました。
「・・・そんなわけで、私、別山の方におりてしまいまして」
「他の登山者でも間違える人、いますよ」
少し救われた。こんなアホなことやるの、私だけでなかった(≧∇≦)
「今から下山って大丈夫でしょうか?」
「ここで15時なら大丈夫だよ。」
安心した!よし下りよう!
ヘルメットを片付け、ストックを出して準備OK。
滑落などの危険箇所は減りましたが、何しろここからも長い!
下りても
下りても
一向に着きそうに無い!
登山者も完全に居ない!
さみしいので、クマ鈴を鳴らしました。
標高がさがるに連れての暑さもハンパなく、500mlと迷いましたが、2Lの水にしておいて良かったとつくづく思いました。早月コースは水場がありません。
濃い霧も立ち込めてきました。
標高1,500mを切ったくらいからも また長かった。延々と続きます。
足裏の痛みが段々キツくなってきました。それでも暗くなることの方が怖く、途中でヘッドライトを頭に装着しました。いつでも明かりを付けれるように。しょっちゅう時計で時間を確認します。
17時頃、見覚えのある立山杉の巨木を越えました。
山と高原地図アプリで現在地を確認します。GPSで現在地を捕獲してくれるので、山行には欠かせません。
そして
ようやく
登山口にたどり着きました(汗)
暗くなる直前の18時ちょうどでした。
山からおりて、登山口で見る自家用車って、何かホッとします。
良かった。無事に帰れて良かった。
大袈裟かもしれないけど、今回の山行は特に強く感じました。
けど、不思議な山です。あれだけキツかったのに、帰宅途中のコンビニ駐車場でオデンを食べながら
「来年、もう一度行きたいな」
と、思ったんです。
それくらい、インパクトの強かった剱岳日帰りでした。
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