2016年9月27日火曜日

連載vol.2 湘南さんとの出会い

槍ヶ岳に向け、真っ暗な道を歩き始めました。最初は歩きやすい林道ですが、延々5km続きます。かなり長いです。

ふと前を見ると、ヘッドライトを付けた男の人が1人で登って行く。






↑ この方です。
 
無料駐車場で、私が登山口方面の出口が分からなく、質問した方でした。
丁寧に教えて頂けました。

(どうしよ、さっきは道を聞いたけど、いきなり話しかけて一緒に登りませんか、とは言いづらい)

(1人の方が好きな方かもしれないし、私もだけど。)

(ペース的には抜かすことは出来るけど、そもそも抜かす必要があるの?その先は間違いなく1人やし)

7〜8mほど間隔をあけ、ちゃっかり後ろを付いていくことにしました。
何かストーカーぽいな(・_・;

初めての道(初めての北アルプス)
しかも真っ暗闇ですよ。
前を歩く人が居るだけでも、すごく安心感がありました。
 
川の流れる音だけが耳に響いてきます。
といってもチョロチョロという可愛いものではなく、ざああああああという激しい音が暗やみに響きます。暗闇の不安をあおる音です。台風から確か3日経ってましたが、それでも時折、林道にまで水がしみ出してきている箇所がいくつもありました。大きな水たまりもあり、前を歩く方の歩き方を真似して迂回しながら歩きます。
 
男の人はかなり重そうな荷物を背負っています。いかにも登山に慣れた方、という雰囲気。日帰り軽装備の私とは全然違います。
 
そんな一定間隔の歩きがかなり長い時間続きました。
 
(後ろから一定間隔で付いて来られるのイヤじゃないかな?)気にする私。
 
 
この先林道途中で、山道に入るショートカット(近道)があるんです。そこを行こうかどうか悩んでいまして、というのはかなり分かりにくい山道になるらしい。前を歩く方がその道を分かっていてもし行くのなら、そこで初めて話しかけてショートカットだけでも一緒に歩かせてもらおうかと思っていました。(夜中に1人では行く気なし)
 
 
 
この4番からの近道。(帰りに撮影)
かなり近道になるらしい。
 
近づいてきました。
(近道、行くのかな?行くのかな?)少しドキドキ
 
男の方、スルーしました。知らないのかな?
ま、でも夜中に見ると相当にうっそうとしていたので、むしろ安心しました。
 
(帰り道で通ったので後でレポします)
 
 
30分以上も後ろを付いて歩いていましたが、突然男の方が前方で立ち止まりました。携帯でルートを確認しているようです。
 
私まで立ち止まるのもおかしな話なので、必然的に追いつくことに。
 
「あ、あの。後ろついて行ってすいません。途中のショートカットを登られるなら一緒に歩かせてもらおうかと思っていまして・・・・」
 
沢の大きな音にかき消されたかで、言っている意味が分からなかったのか
 
「では、一緒に登りましょうか」
 
「・・あ、はい。お願いします!!」
 
で、一緒に登ることになりました。
 
歳の頃は、私より上のような気もしますが、下にも見えないこともない。
お互い、ヘッドライトの明かりで確認するので、分かりにくいといえば分かりにくい。
ゆっくりとしたペースで色々なことを会話しながら一緒に登りました。
 
 
まずはどこから来たのか。どこを目指すのか。登山者の定番の会話スタート。
 
湘南在住(以降 湘南さん)
連泊して穂高方面、大キレットあたりを目指すとか。
南岳方面から登るので、途中まで一緒らしい。
もともとサーフィンをやっていたが、出勤前のサーフィンが段々キツくなってきたのでトレラン→登山に移行してきた。
 
などなど。サーフィンから登山ってすごいな。完全に海の方やん。
歩いて海に行けるらしいが、その方がこんな山の中にわざわざ来るとは。
 
色々な人がいて、やっぱり登山は楽しい。
 
 
やがて、長かった林道が終わりました。
ずっと隣り合わせで話しながら登っていたので、長くは感じませんでした。
 
沢(白出沢)を横切るといよいよ登山道が始まりました。


 
湘南さん 
の後ろをついていく。
登山道では横に並んでは登れないので、時折立ち止まって会話。
北アルプスは何度か来ているようで、さすが慣れた感じです。
 
にしても荷物が重そう。テントやら寝袋やら入っているらしい。
 
 
 



 
AM6時
少し明るくなってきました
 


 
AM6時20分
ヘッドライトを消しました。
前を歩く、湘南さん
(結局、お互い名乗ることなく、名前は分からず)


 
 
沢をいくつか越えます
増水時はどうなるのだろう
  (無理に渡ろうとして事故も起こっています)
 

 
 


 
脚をすべらしたら・・・・
かなりヤバそうです
 
私がここで落ちたら、湘南さんの登山もパーになってしまうだろうな
とか、しょうもないことを考えていました。




  かなり長いこと(1時間以上)一緒に登りました。突然、湘南さんが言いました。
「槍に日帰りだと急ぐでしょう。私、荷物が重くて早く歩けないから、槍平までもうすぐだけど、先に行かれますか?」

気を遣ってもらったみたい。
確かに、ちょっとだけペースは気にしていました。

湘南さんに重々御礼を言って、先に行くことにしました。

初めての北アルプスで真っ暗のなか歩くのに、同行者がいて本当に心強かったです。ありがたかったな。

お互い最後まで名乗らなかったけど(この歳にもなると、お名前は?とか野暮ったいしね)

またいつか偶然にも、穂高周辺で会えるといいですね。




1人になってしまいました。

槍平小屋前の木道。





看板がこわい。




小屋が見えてきました。



AM7時、到着です。予定していたコースタイムより、やはり遅れていたのでこの後ペースを上げます。

続く






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